2008年 6月25日発行
━━☆ 夢現 ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ゆめげんクリニック・プロジェクト メールマガジン Vol. 11 その2
http://jin-i.com/yumegen
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みなさま、こんにちは。
ゆめげんクリニック・プロジェクト事務局の中山です。
本メールマガジンは、「ゆめげんクリニック・プロジェクト」の
ホームページまたはメルマガポータルサイト「まぐまぐ」から
ご登録いただいたみなさま及びパートナー企業・医療機関のみなさま、
そして、当法人事務局スタッフが名刺交換させていただいたみなさまに
お送りしている情報メールマガジンです。
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● もくじ
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【1】はじめに
【2】今月のテーマ:旅行医学(最終回:ワクチン)
【3】ゆめげんドア
● 編集後記:“Slogging for People(人々の為に地道に努力する)”
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【1】はじめに
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みなさま、
前回からの続編です。
「旅行医学における予防」の中で、
「ワクチン」についてお送りいたします。
ご一読いただければ幸いです。
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【2】今月のテーマ: 旅行医学(最終回:ワクチン)
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今回は、旅行先で感染症にならないための
予防方法、特にワクチンについてのお話です。
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旅行に行く前にワクチン(予防接種)をするように
薦められる事がありますが、ワクチンの種類が多くて、
接種する回数もそれぞれ違うので、わかりにくいですよね。
主に勧められる予防接種の種類は、9種類あり、
渡航先に必要なものを選ばないといけません。
その9種類というのは、
1. 黄熱病
2. A型肝炎
3. B型肝炎
4. ポリオ
5. 麻疹(はしか)
6. 日本脳炎
7. 狂犬病
8. 破傷風
9. ジフテリア
です。
1〜3 を除くポリオ、麻疹、日本脳炎、狂犬病、破傷風、ジフテリアは、
日本国内の子供の予防接種に含まれます。
よって、これまでにきちんと予防接種をしている方は、
20歳代前半までは免疫があります。
ただ、20歳代以上の場合は、
免疫がなくなっている可能性もありますので、
医療機関に相談してください。
■ 日本でも発症している病気
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さて、これらの病気は日本にはないのでしょうか?
そんなことはありません。
A型肝炎、B型肝炎、麻疹、日本脳炎、破傷風、ジフテリアは
今日の日本でも発症している病気です。
でも、日本では子供への定期的なワクチン接種によって、
これらの病気にかかるリスクは低くなっています。
例えば、破傷風。
1950年には患者数約2,000人、死亡者数約1,500人で、
致命率が81.4%と高い感染症でしたが、
1952年にワクチンが導入され、
1968年に定期ワクチンが子供に行われるようになり、
患者数は減少して現在は1 年間に
30〜50人にとどまっています。
死亡率の高い病気で、
事故や土いじりの際に感染しますので、
旅行先が破傷風の多い地域の場合は
ワクチンを必ずしていきましょう。
■ 狂犬病
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最近日本にはない病気もあります。
例えば狂犬病。
世界で4〜5万人が毎年死亡していますが、
日本では1957年以降、国内での感染はありません。
しかし、1970年にネパール、
2007年にフィリピンで犬にかまれた人が
日本に戻ってきてから発症して亡くなっています。
日本で、狂犬病がなくなった理由は、
犬へのワクチンの徹底と、検疫制度の充実と
島国なので動物が侵入しにくいことです。
■ 子供の時、定期ワクチンを受けてこなかった場合
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現在、WHOは全世界の子供たちに必要なワクチンとして、
1. 結核(BCG)
2. ポリオ
3. ジフテリア
4. 破傷風
5. 百日咳
6. 麻疹
7. B型肝炎
8. インフルエンザb型菌(Hib:日本ではやっと今年導入予定)
の8種類のワクチンを接種するプログラムを推進しています。
しかし、まだワクチンの不十分な地域があり、
例えば、世界の百日咳患者数は年間2,000〜4,000万人で、
死亡数は約20〜40万人です。
そのため、もし、子供の定期ワクチンを接種していない場合、
海外旅行はリスクになりますので、必ず旅行前に医療機関に
相談しましょう。
今回は、ワクチンについてお話しました。
ちょっと難しい内容になってしまったかもしれません。
ご不明なことがありましたら、info@jin-i.com、
まで遠慮なくご連絡ください。
できるだけわかりやすくご説明したいと思います。
(くに)
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【3】ゆめげんドア:
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今月のテーマについて更に詳しく知りたい方は、
次のウェブサイトをご参考にしてください。
■ 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html
■ 海外旅行の感染症から身を守る本 (聖路加国際病院健康講座) 双葉社
古川 恵一
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31199829
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● 編集後記:“Slogging for People(人々の為に地道に努力する)”
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今回のゆめげんはいかがでしたでしょうか。
シリーズでお伝えしました旅行医学。
今後、海外に旅行される際に是非、ご活用ください。
さて、先月5月末、横浜で第4回アフリカ開発会議が
開催されました。
その中で『野口英世アフリカ賞』の第1回授賞式と
受賞者による記念講演会などが行われました。
http://www.cao.go.jp/noguchisho/
記念すべき第1回の受賞者は、
ブライアン・グリーンウッド博士
(ロンドン大学衛生熱帯医学校教授)
ミレアム・ウェレ博士
(ケニア国家エイズ対策委員会委員長)
のお二人でした。
それぞれマラリアの研究と対策戦略の設計、
コミュニティの保健医療サービスの向上に
生涯を賭けてこられた方たちです。
「現場に密着した研究」
「コミュニティに立脚した保健サービスの提供」
が受賞理由として示されています。
この「現場密着」「地域立脚」は
ゆめげんクリニック・プロジェクトを
進めていく中でも、いつも心に留めていきたいこと。
また、ミレアム・ウェレ博士は受賞の喜びを
「Slogging for People(人々の為に地道に努力する)」
ということが新しい、積極的な意味を持つことになりま
した
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2008/0522/0522.html#were
と表現されています。
ゆめげんクリニックもウェレ博士の言葉にひとつでも
積極的な意味をつけ加えられるような仕事をしていきたいと
心新たにしました。
それにしても、ブライアン・グリーンウッド博士の挨拶
http://www.cao.go.jp/noguchisho/jyusyousiki-sikisidai/greenwood.pdf
すごく共感して何度もうなずいてしまいました!(P.1-2前半)
それでは、次回は、今話題(?!)の
「メディカル・ツーリズム」について
7月21日にお送りする予定です。
次回もどうぞお楽しみに! (よし)
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