私は蒲郡市にあるマイファミリークリニック蒲郡にて診療所研修をさせていただきました。
事前にホームページで診療内容・病院の方針などを拝読した段階では自分の中でどのようなクリニックなのか、イメージが全くつきませんでした。
初日にクリニックを訪れた際に、まず紹介されたのはクリニック内の患者側の動線でした。
この瞬間に私は中山先生がいかに患者に寄り添われているかをすぐに感じることが出来ました。
実際に外来診療が始まり、中山先生の診察を拝見すると問診や身体所見から必要な検査を絞りながらも患者の心配を拾い上げ、満足気な表情で退室される患者ばかりでした。
ここで、自身の外来に足りないものはこの満足度であると確信しました。患者に寄り添うなどの姿勢に関しては私も気を付けてはいるつもりでした。しかし、外来の中で患者のニーズに応えるということが、いかに重要であるかに気付かされました。
研修を進めていく中で、マイファミリークリニックではこの他にもいくつものことを学ぶことが出来ました。診察前の問診はスタッフが行い、先生に報告されています。この報告一つをとっても必要な情報が何なのか、ショートプレゼンのような形で行うことで患者に必要な問診・トリアージなどが速やかに行われていました。生活習慣など先生には直接言いづらいことをスタッフに打ち明けていた患者がいたことも印象的で、これも中山先生の患者への気遣いのひとつかもしれないと感じました。
スタッフの皆さんの業務も迅速かつ丁寧な対応で、渡航外来などのワクチン接種の際には薬剤を混和させる方や、今後の接種予定を入力される方、患者に声掛けされる方など役割分担をバランスよくされていることも患者の負担や不安の軽減に繋がっていることに気づきました。毎日の業務前後のミーティング・振り返りはこのような連携に生かされているのだと感じました。
研修中で、私が最も印象的だったのは留学前ワクチン接種のために渡航外来に来られた母子でした。接種のために受診した長女はもちろん接種スケジュールを組んでいきました。未接種のワクチンなどの案内も行われ、接種も終了した頃に母親から次女のことで先生に相談がありました。
この母親はワクチンに対し不信感があったため、娘はほとんどワクチン接種していない状況でした。そのことに対し、先生が丁寧に説明されたことで次女も受診してみるということになりました。
受診された患者だけでなく、その家族にまで関わっていく、まさにファミリークリニック。
ここで私の中でマイファミリークリニックのイメージが固まりました。
最後になりましたが、ご指導いただいた中山先生はじめスタッフの方々に感謝申し上げます。家庭医の必要性やその診療所に必要な要素など多くのことを学ばせていただきました。短い期間でしたが、今後の医師人生に大きな影響する研修となりました。ありがとうございました。
藤田医科大学ばんたね病院
初期研修医2年
倉田 耀介