沖縄県などで、はしかの感染が広がる中、名古屋市は新たに市内の中学生の姉妹2人の感染が確認されたと、24日発表しました。2人は、沖縄を訪れたあとに感染が確認された男性と同じ病院で、受診していたということです。
名古屋市によりますと、今月20日ごろにかけて市内の同じ中学校に通う姉妹2人が発熱などの症状を訴え、市の衛生研究所が詳しく調べたところ、23日、2人ともはしかに感染していることが確認されたということです。
愛知県内では今月、沖縄を旅行した10代の男性が、名古屋市昭和区にある名古屋第二赤十字病院ではしかと診断されたほか、この病院に勤務している30代の女性事務員も感染が確認されました。
姉妹は男性と同じ今月9日に、はしかとは別の理由でこの病院で診察を受けていたということです。
市は接触した人に、はしかの症状が出ていないか保健所などを通じて把握に努めるとともに、2人のうち1人が今月19日の午後6時から7時の間に地下鉄鶴舞線を利用していたことから、同じ時間帯に利用した人で発熱やせきなどの症状が出た場合は、事前に医療機関に連絡したうえで速やかに受診するよう呼びかけています。
名古屋市が注意呼びかけ
同じ中学校に通う姉妹2人がはしかに感染したことを受けて、名古屋市は感染の広がりを防ぐため注意を呼びかけています。
2人とも今月9日に昭和区の名古屋第二赤十字病院で診察を受けていたことから、市は、同じ日にこの病院で受診した人と連絡を取り、症状が出ていないか聞き取っています。
また、中学校では保護者に宛てた文書を配布し、毎朝、生徒の体温を測って、少しでも熱があれば登校させず、すぐに学校に知らせるよう呼びかけています。
また、症状が出るなどして病院に行くときは、移動中に感染を広げるおそれがあるため公共交通機関の利用は避けるよう呼びかけています。
予防のためにワクチン接種を
愛知県内の医療機関などにはワクチンの接種ができるかどうか問い合わせが相次いでいます。
このうち、愛知県蒲郡市にある「マイファミリークリニック蒲郡」では、1週間ほど前からはしかのワクチン接種を希望する人が増えたということです。
院長で感染症に詳しい中山久仁子医師は、はしかは感染力が非常に強く、重症化しやすいため甘く見てはいけないと指摘します。
中山医師は「はしかは空気感染するので、例えば電車で同じ車両にいるだけで感染する。また、免疫を落とす力があるので肺炎などを合併して亡くなったり、重症化したりする例が多い」と話しています。
また、感染して10日ほどしてから、熱やせき、鼻水、喉の痛みといった、かぜのような初期症状が出て、その後、発疹が現れます。発疹が出る前のかぜのような症状の時からすでに感染力があるため、自覚のないまま感染を広げてしまうおそれがあるということです。
中山医師は、ワクチンの接種について「過去に1回も売ったことがないか、もしくは1回しか売ったことがない人は接種してほしい。国内では1977年から定期接種が始まっているが、それ以前は多くの人が感染しているので、免疫があると見られる。かかったかどうかや接種の有無が確認できない人は、打った方がいいと思う」と話しています。
記事は『NHK NEWS WEB 2018年4月24日 17時31分』より転載
画像は、NHK名古屋放送局 東海エリア放送
『まるっと!』2018年4月24日(火)放送内容より抜粋