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【私たちの医療について夢を語り、その夢を実現していくメルマガ】 
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■◆    ゆめげんクリニック・プロジェクト メールマガジン
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臨時増刊 2008/12/8日号    http://jin-i.com/yumegen

 ● もくじ
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 【1】 特別寄稿 『患者や家族、そしてコミュニティをエンパワーする医療を』

           金子 雄大 (AE/JPO国際機関派遣候補)

  【2】 ゆめげんドア

    ● 編集後記

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 みなさま、こんにちは。
 ゆめげんクリニック・プロジェクト事務局の中山です。

 本メールマガジンは、「ゆめげんクリニック・プロジェクト」の
 ホームページまたはメルマガポータルサイト「まぐまぐ」から
 ご登録いただいたみなさま及びパートナー企業・医療機関のみなさま、
 そして、当法人事務局スタッフが名刺交換させていただいたみなさまに
  お送りしている情報メールマガジンです。

  ● ゆめげんプロジェクト事務局スタッフ・プロフィール
     http://jin-i.com/yumegen/staff

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 【1】 特別寄稿 『患者や家族、そしてコミュニティをエンパワーする医療を』

          金子 雄大 (AE/JPO国際機関派遣候補 )
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■ 母の入院
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  私には70歳になるマレイ人の義母がいる。
  その母が倒れて1年。
  股関節に激痛を患うようになり、以来、寝起きがままならない。

  そんな母が人工関節置換手術を決めた。


■ 看護の質を高めるもの
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  ある日、叔母が見舞いに訪れた。

  母が入院する病院の元婦長で保健省に勤める叔母は、
  手術を控えた母を勇気付けるだけでなく、
  母にはくるぶしを廻す運動を、
  看病をする我々には足全体のマッサージを施すことを勧め、
  足全体の筋肉運動を促すことが術後の早期回復につながると
  我々にやって見せながら教えてくれた。

  終始心地よさそうにマッサージを受ける母を見て、
  こうしたちょっとした知識とその実践で
  看護の質が大きく変わること、
  そして我々家族にも不自由になった母の介助に留まらず、
  失われた機能の回復にも積極的に貢献できることに気づかされた。


■ 医療における「エンパワーメント」
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  私が携わってきた国際協力では、住民参加型開発、
  コミュニティ・エンパワーメントという手法や考え方がある。

  住民を開発の受け手とする従来の発想から、
  住民自らが開発にかかわり、
  参加を通じて開発のアクターとして
  力をつける(エンパワー)というものである。

  患者を単に疾病の治療や
  予防行為の対象・受け手として扱うのではなしに、
  自ら主体となって健康を維持・増進し、健康が損なわれたときには
  その回復に積極的に取り組み、実現する意思と力を、
  患者、そしてその家族から引き出し、育んでいく。

  そして、患者、家族、医療実施者という垣根を越えて、
  お互いが一丸となって協力し合うことで
  我々はより健康で豊かな生活を
  享受できるようになるのではないかと感じた。


■ 医療機関を地域住民の「エンパワーメント」の場に
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  このような観点から、地域医療を支える病院や診療所には、
  患者や家族、ひいては地域住民をエンパワーする場、 
  学びの場、知識と経験を共有する場として、

  また、コミュニティの総体としての健康や医療に関する
  知識レベルを引き上げる牽引役・情報発信基地としての機能も
  ぜひ期待したい。

  患者とその家族が医療従事者から学び、
  患者や家族同士でこうした知識や経験を共有する、
  さらに地域に普及し、親から子へ、子から孫へと引き継がれていく。
  そのような理想像を医療のあるべき形のひとつとして描いてみた。


■ 「ゆめげんクリニック」に望むこと
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  健康は人が夢を実現するうえでの礎であり、
  医療は患者が健康を取り戻すための希望の光だと思う。

  残念ながら、母の手術は諸般の事情で延期となった。
  手術を待ちわびていた母は大きく肩を落とし、望みを失いかけた。

  だが、今少しずつ前向きさを取り戻している。
  再び自らの足で歩けるようになり、庭に咲く花を愛で、
  里帰りする子や孫に自慢の手料理を振舞うために。

  「ゆめげんクリニック」には文字通り、
  患者一人ひとりが夢を実現するための希望の光であってほしい。


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◆ 寄稿者:金子雄大氏 プロフィール
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  大学卒業後、独立行政法人国際協力機構(JICA)の実施する
  青年海外協力隊に参加。
  マレイシアの中高等学校にて日本語教師として教鞭をとる。
  以来、国際協力、特にボランティア事業にかかわり、
  2002年から2005年までJICAのボランティア事業を支援する
  調整員としてパプアニューギニアに勤務。
  2007年、英国ロンドン大学教育研究所にて
  教育・ジェンダーと国際開発修士を取得。
  国際機関への派遣制度であるAE/JPO派遣候補者として、
  現在、派遣の準備中。

 *国際機関によってAE(アソシエート・エキスパート)、
    JPO(ジュニア・プログラム・オフィサー)、
    APO(アソシエート・プログラム・オフィサー)
    と称されている。


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     もし、私たちの理念や基本方針、プロジェクトのアイディアに
     共感するものがありましたら、一緒に実現していきませんか?
     → http://jin-i.com/yumegen/partners
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 【2】 ゆめげんドア
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  今回の特別寄稿と関連のあるウェブサイトをご紹介します。

  ■ 日本国際保健医療学会 国際保健用語集
    「エンパワーメント」
     http://wiki.livedoor.jp/jaih/d/%A5%A8%A5%F3%A5%D1%A5%EF%A1%BC%A5%E1%A5%F3%A5%C8

  ■ 松田亮三「医療におけるコミュニティ・住民エンパワメント:
     実践課題分析のための枠組み」
     http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hs/hs/publication/files/ningen_14/ningen14_matsuda.pdf

  ■ 清水準一「Empowermentの海外における理論と実践に関する文献的研究」
    http://www.j-shimizu.net/modules/bwiki/index.php?%C2%B4%B6%C8%CF%C0%CA%B8

  ■ 清水準一「アメリカ地域保健分野のエンパワーメント理論と
    実践に込められた意味と期待」日本健康教育学会誌,4(1),1997,11-18
    http://www.j-shimizu.net/modules/bwiki/index.php?EmpowermentJjhpe

  ■ 対談「不平等社会日本と健康の格差」近藤克則氏、佐藤俊樹氏
     http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2663dir/n2663_01.htm

  ■ 立命館大学 人間科学研究所
     医療における地域・住民エンパワメントプロジェクト
     http://www.human.ritsumei.ac.jp/hsrc/team/team09/index.html
  
  ■ 青年海外協力隊
    JICA(Japan International Cooperation Agency)
    独立行政法人 国際協力機構 
    http://www.jica.go.jp/activities/jocv/

  ■ 金子雄大「ロンドン大学教育研究所 大学院紹介」
    英国開発学勉強会(IDDP)
    http://iddp.dreamblog.jp/blog/43.html       

  ■ Yahoo!ボランティア「海外ボランティア特集」
    http://volunteer.yahoo.co.jp/feature/kaigai/


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 ● 編集後記
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  今回の臨時増刊号は、いかがでしたでしょうか。


  キーワードは、
  『エンパワーメント』


  それは、

  「個人について自己の生活に関する事項を
  さまざまに統御する能力を向上していく」

  という考え方です。

  医療についていえば,

  「自身の対応,社会関係の調整,医療サービスの利用を行いながら,
   健康や病気に対しながら自己の生活を統御する能力」

  になります。

  そして、統御の対象となる生活に関する事項は幅広く、
  健康は生活全般に関わっているので
  生活のさまざまな側面と関与しています(1)。

  したがって、「医療におけるコミュニティ・住民エンパワーメント」は、

  ・療養空間
  ・療養に要する時間のバランス
  ・療養に関する知識と技能・情報
  ・療養に関する相互援助の組織や社会ネットワーク
  ・仕事などと療養とのバランス
  ・療養を含めた生活に要する費用

  など幅広い問題を含んだ領域です(2)。


  すなわち、、患者・住民エンパワーメントを、単純に
  医療機関や医療従事者が努力する問題とするのは無理がある、
  ということです。


  松田亮三 立命館大学教授が提唱しているように、

  制度、組織、臨床の各レベルにおいて、

  ・どのような知識と技能が必要なのか
  ・どのような人的、財政的資源をどれぐらい使えるのか
  ・どのような意思決定過程(参加型?トップダウン?)、権限が有効か
  ・制度を規定する法的基盤をどのように整備するか

  といったことを考える枠組みを構築していかなければなりません。

  このように、エンパワーメント概念は
  現在、日本が直面している医療問題を包括的に理解し、
  将来の医療のすがたを考える上で多くの示唆を与えてくれます。


  今回、金子さんから

  ゆめげんクリニックへのご提言の中で、 
  「地域のエンパワーメントの場に」
  というお言葉をいただきました。

  そのためには、
  個々の医療機関としての役割を果たすだけでなく、
  地域医療の中での位置づけや役割を常に問いながら
  マクロとミクロの視点を持って
  自治体や民間セクター、市民団体などと
  連携して取り組んでいくこと

  が求められていると、改めて気が引き締まる思いでした。
  (「マネジメントの特徴」:http://jin-i.com/yumegen/concept をご参照)


  金子さんは現在、国際機関への赴任を控え、準備をされています。  
  それぞれ舞台は違えど、それぞれの場所で、
  それぞれの役割をしっかり果たしていきたいですね!
  今後のご活躍を心からお祈りしております。


  それでは、今回も最後までお読みいただき、
  どうもありがとうございます。

  次回もどうぞお楽しみに!

  脚注:
  (1) 松田亮三「医療におけるコミュニティ・住民エンパワメント:
      実践課題分析のための枠組み」p.185
  (2) ibid. p.186-188


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